最近、「身体がだるい」「イライラすることが多い」など心身の不調を感じることはありませんか?ストレスや疲れを感じるときは、自律神経の働きが低下している可能性があります。「自律神経」って聞いたことあるけど、どんな働きがあるのかよくわからないという方もいるかもしれません。今回は、自律神経ってどんなものか、ドライフルーツが自律神経を整えるのに最適な理由、おすすめのドライフルーツ、見直したい生活習慣などについて解説します。
自律神経ってどんなもの?
自律神経は、自分の意思とは関係なく身体のあらゆる機能をコントロールしている神経のことです。例えば呼吸、心臓の動き、消化吸収や血液循環なども、自律神経によってコントロールされています。自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあります。この2つのバランスが保たれていると、心身共に健やかな状態でいられるでしょう。
交感神経
交感神経には、身体の動きを活発にする働きがあります。主に昼間に活発になる神経で、興奮状態になるのが特徴です。激しい運動をしているときや危機を感じるときは、交感神経が優位になります。
副交感神経
副交感神経は夜やリラックスしているときに働く神経で、休んでいる状態になるのが特徴です。寝ている間は、副交感神経が優位になります。
自律神経のバランスが崩れるとどうなる?
ストレスなどが原因で自律神経のバランスが崩れると、さまざまな症状につながります。具体的にどんな症状があるのか、身体的症状と身体的症状に分けて解説します。
身体的症状
身体的症状には、頭痛や体がだるい、便秘や下痢、肩こりやめまい、動悸や不眠、手足の冷えや不整脈などがあります。
精神的症状
精神症状には、不安やイライラ、記憶力や集中力の低下、やる気が出ないなど、さまざまなものがあります。
自律神経を整える働きがある栄養素
栄養素にはさまざまなものがありますが、自律神経を整える働きがある栄養素もあります。主に6つあるので、1つずつ解説します。
カルシウム
カルシウムには、交感神経の働きを抑える働きがあります。脳の興奮を抑えたいとき、カルシウムは最適!主に、乳製品や小魚、大豆製品などに含まれています。ストレスを感じると体内のカルシウムの消費量が増えやすいので、カルシウム不足にならないようにしましょう。
ビタミンD
カルシウムと併せて摂りたいのがビタミンDです。ビタミンDにはカルシウムの吸収を手助けする働きがあるため、効率よくカルシウムを摂取するために必要不可欠な栄養素といえるでしょう。また、神経のバランスを整えるセロトニンを調整する働きもあります。
主に、キノコ類や魚類に豊富に含まれています。ちなみに、ビタミンDは、紫外線を浴びると体内で合成されるという特徴があります。毎日日光浴をして、ビタミンDを生成しやすくしましょう。
GABA
GABAは、自律神経を整えるために必要不可欠の栄養素です。副交感神経の活動を促し、脳や神経をリラックスさせる働きがあるのが特徴です。主に、玄米や大麦、味噌や漬物、かぼちゃなどに豊富に含まれています。
ビタミンB6
ビタミンB6には、免疫力の強化や神経を安定させる働きがあります。ビタミンB6が不足すると、憂鬱な気分になることもあります。ビタミンB6が豊富に含まれているバナナやマグロの赤身、とうがらしやにんにくなどを摂取するとよいでしょう。また、ビタミンB6には体内にあるGABAの代謝を助ける働きもあるので、GABAとあわせて摂ることをおすすめします。
たんぱく質
神経を安定させる働きがあるビタミンB6は、たんぱく質にも含まれています。ビタミンB6をしっかりと摂取したいときは、たんぱく質を摂取するとよいでしょう。たんぱく質は、主に魚やひれ肉、ささみ、にんにくなどに含まれています。
トリプトファン
幸せホルモンのセロトニンをつくるために必要不可欠なのが、必須アミノ酸のトリプトファンです。トリプトファンには、精神安定やストレス緩和の働きがあります。主にゴマやお米、バナナなどに含まれています。セロトニンをつくるには、トリプトファンだけでなくビタミンB6や炭水化物なども必要です。
ドライフルーツが自律神経を整えるのに最適なのはなぜ?
旨みと栄養が凝縮されたドライフルーツは、自律神経を整えたい方に最適!自律神経の安定にドライフルーツをおすすめしたい理由は、主に3つあります。
トリプトファンが含まれている
トリプトファンは、リラックスホルモンと呼ばれるアミノ酸です。トリプトファンは体内で生成することができないので、食事で摂取する必要があります。トリプトファンを食事で摂取すると、日中に脳内で幸せホルモンのセロトニンに変換され、夜には入眠効果があるメラトニンに変換されます。
食物繊維が豊富
生のフルーツだと皮を食べられませんが、ドライフルーツは皮まで食べられるので、その分食物繊維も豊富です。善玉菌のエサとなる食物繊維を摂取することで、腸内環境が整いやすくなり、自律神経のバランスも整いやすくなるといわれています。
カリウムやカルシウム、マグネシウムも摂取できる
カリウムやカルシウム、マグネシウムは、ストレス対策の効果がある栄養素です。イライラしているときや疲れているときは、甘いものを食べたくなる方も多いのではないでしょうか?
でも、ケーキのように砂糖をたっぷりと使うおやつは、血糖値を急激に上げてしまい、疲れやすくなったり眠くなったりすることがあります。ドライフルーツを摂取すればストレス対策になるし、甘いものを食べたい気持ちも満たされて一石二鳥!
自律神経を整えたいときにおすすめしたいドライフルーツ3選
自律神経を整えたいときにドライフルーツが最適な理由がわかったところで、次はおすすめのドライフルーツを3つご紹介します。デーツ・プルーン・いちじくそれぞれの特徴を見てみましょう。
デーツ
デーツには、さまざまな栄養素が含まれています。例えば、疲労回復を促進するブドウ糖、全身の細胞で健康を維持するパントテン酸、ストレス対策になるビタミンB群やビタミンC、腸内環境を整える食物繊維などがあります。また、イライラを抑えるカルシウム、カルシウムの働きを手助けするマグネシウムが含まれているのも、デーツの魅力といえるでしょう。
プルーン
プルーンは、ビタミンA・ビタミンC、カリウムや食物繊維などが豊富です。さらに注目したいのが、プルーンにはネオクロロゲン酸というポリフェノールが含まれていることです。ネオクロロゲンの抗酸化作用は、他のドライフルーツと比較しても群を抜いていると言われるほど。体内で強い抗酸化作用が働くので、ストレスによる身体の酸化を防ぎやすいのです。
いちじく
いちじくには、神経細胞の興奮を抑えるカルシウム、腸内環境を整える水溶性食物繊維も含まれています。ドライいちじくは、生のいちじくより食物繊維が5倍、カルシウムや鉄、ナトリウムなどのミネラルは約5倍に増えるといわれているので、積極的に摂取したいですね。
自律神経を整えるために摂りたいさまざまな飲食物
心身が不調なときは、日々摂取している飲み物や食べ物を見直す必要があります。自律神経を整える効果がある飲み物や食べ物を意識的に摂取するようにしましょう。
ホットミルク
牛乳は、セロトニンの合成に欠かせないトリプトファンが含まれています。リラックスしたいときは、ホットミルクを飲むようにしてください。交感神経の働きを抑えるカルシウムが豊富なので、イライラしているときはホットミルクで気分を落ち着かせましょう。
カモミールティー
ハーブティーにはさまざまな種類がありますが、自律神経を整えたいときはカモミールティーがおすすめ。カモミールティーには交感神経の働きを抑える働きがあります。ノンカフェインなので、寝る前に飲めるのも嬉しいですね。
ココア
ココアの苦み成分・テオプロミンには、精神をリラックスさせる働きがあります。テオプロミンを効率的に摂取するために、カカオの含有量が多いココアを選ぶとよいでしょう。さらに、ココアを牛乳で割ったら、カルシウムやたんぱく質も摂れます。
バナナ
バナナには、トリプトファンだけでなくトリプトファンの代謝を促すビタミンBも含まれているのが大きな特徴です。トリプトファンは、幸せホルモンのセロトニンをつくるために必要不可欠な栄養素です。バナナは朝食や小腹がすいたときのおやつにも食べやすく、おすすめ。
ヨーグルト
ヨーグルトは、交感神経の働きを抑えるカルシウム、精神の安定に関わるセロトニンを生成するトリプトファンが豊富です。ドリンクタイプのヨーグルトでもOK!ダイエット中は、甘さ控えめのㇷレーンタイプがおすすめです。
GABA入りチョコレート
GABA入りチョコレートには副交感神経を活発にする働きがあるので、心を落ち着かせたいときにおすすめです。また、チョコレートの原材料のカカオには、ストレスがあるときに消費されやすいマグネシウムが豊富に含まれています。おやつにチョコレートを食べて、マグネシウムを補給しましょう。また、チョコレートには疲労回復効果もあるので、ちょっと疲れたときにも最適!ただし、食べ過ぎには気を付けてください。
自律神経の安定に効果的な生活習慣
自律神経を安定させるには、食品だけでなく生活習慣も意識する必要があります。ここでご紹介する4つを日々意識することで、自律神経が安定しやすくなるでしょう。
規則正しい生活
早寝早起き、3食規則正しく食べることを心がけてみてください。なかなか眠れないという方は、寝る前にカモミールティーやホットミルクなどを飲んで体を温めることをおすすめします。そして、食事では自律神経を整える食べ物ばかり食べるのではなく、栄養バランスに気を付けてくださいね。
日光を浴びる
朝起きたら、まずは日光を浴びるようにしましょう。日光を浴びると体内時計がリセットされるので、自律神経が安定しやすくなります。早起きすることで、深夜にぐっすりと眠りやすくなるので一石二鳥ですね。
身体を内側から温める
みそ汁、常温の水やしょうが紅茶、ほうじ茶や黒豆茶などを飲んで、身体を内側から温めるようにしてください。玄米・そば・大麦など茶色いものを食べるのも、効果的です。反対に、白米やうどんなど白い食べ物は、身体を冷やしてしまうので、不調を感じるときは避けた方がよいでしょう。
筋肉をほぐす
こり固まった筋肉は、運動やストレッチで筋肉をほぐすとよいでしょう。運動といっても激しい運動をする必要はありません。ジョギングやサイクリング、水泳やウォーキングなどがおすすめです。ほどよく身体を動かすことは、ストレスの緩和になる上、ほどよく疲労感があり夜入眠しやすくなります。
入浴
いつもシャワーですませていた方も、できるだけ毎日入浴することをおすすめします。38度~40度くらいのお湯がベストです。食後すぐではなく、就寝1時間前くらいを入浴タイムにするとよいでしょう。
効果的な栄養素を摂取したり身体の内側から温めたりして自律神経を整えよう
食事や生活習慣に気を付けるだけで、自律神経が安定して、心身共に調子が良くなるでしょう。自律神経を意識してコントロールすることはできなくても、自律神経を整えるための工夫を実践することはできます。実践できる食事や生活習慣があれば、すぐに摂りいれて、いきいきと毎日を過ごしたいですね。